広島を代表する洋菓子店、バッケンモーツアルト(BAKKEN MOZART)。その店名には、稀代の音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの名前が冠されています。
多くのお客様は、美味しいケーキや焼き菓子を求めて来店されますが、「なぜお菓子屋さんがモーツァルトなの?」という疑問を一度は持たれるかもしれません。
本記事では、このユニークな企業名に込められた深い意味と、音楽活動が洋菓子づくりとどのように結びついているのか、その「哲学」に迫ります。
※写真はイメージです。
「BAKKEN」と「MOZART」に込められた意味
バッケンモーツアルトという名前は、単なる語呂合わせではありません。それぞれに深い意味が込められています。
1. BAKKEN(バッケン)
ドイツ語で「焼く」、または「焼き菓子」を意味します。これは、私たちがお菓子づくり、特に「焼き」の工程にどれだけこだわり、技術と情熱を注いでいるかを象徴しています。
2. MOZART(モーツアルト)
クラシック音楽の天才の名前を冠した理由は、その「音楽性」にあります。モーツァルトの音楽には、私たちが目指す洋菓子の理想像が凝縮されているのです。
モーツァルトの音楽にみる洋菓子の理想像
モーツァルトが残した数々の名曲は、単に美しいだけでなく、極めて洗練された構造と調和を持っています。私たちがこの音楽に理想を見出すのは、洋菓子づくりに通じる要素がいくつもあるからです。
私たちが音楽から得る「洋菓子の哲学」
- 完全な「調和」:
- モーツァルトの楽曲は、メロディ、和声、リズムが完璧なバランスで成り立っています。
- 洋菓子もまた、甘味、酸味、食感が完璧なバランス(調和)を保つことで、最高の美味しさが生まれます。
- 「シンプル」さの中の複雑さ:
- 一見シンプルに聴こえるモーツァルトの曲も、実は非常に高度な技術と構造によって成り立っています。
- 私たちの洋菓子も、素材の持ち味を活かしたシンプルな見た目の中に、熟練の技術と繊細な工夫が隠されています。
- 「普遍性」と愛される力:
- モーツァルトの音楽が時代や国境を超えて人々の心を打ち続けるように、私たちの洋菓子も、世代を超えて多くの人に愛される存在でありたいと願っています。
「コンサートシリーズ」が辿った軌跡とテーマ
バッケンモーツアルトのコンサートシリーズは、地元広島をはじめとする人々に質の高い音楽を届けることを目的として、長年継続されています。
その時々の社会情勢や季節に合わせたテーマ設定により、毎回異なる感動を提供してきました。シリーズで重視されてきたのは、「身近な場所で、一流の音楽に触れる機会」を創出することです。
過去に開催されたコンサートシリーズの代表的なテーマ(一例)
「〇〇を愉しむ」:特定の楽器(例:ピアノ、ヴァイオリンなど)や、特定のジャンルに特化した企画。
「ウィーンの調べ」:モーツァルトをはじめとするウィーン古典派の作曲家たちに焦点を当て、本場の空気感を再現。
「フランス音楽の光と影」:ドビュッシーやラヴェルなど、繊細かつ色彩豊かなフランス音楽の魅力を深掘り。
「若き才能の競演」:国内外で活躍が期待される若手演奏家を積極的に起用し、その瑞々しい感性を紹介。
コンサートシリーズにケーキセットが付く3つの理由
バッケンモーツアルトのコンサートでケーキセットが提供される背景には、「洋菓子店としてのアイデンティティ」と「モーツァルトの哲学の実践」という、深く戦略的な理由があります。
1. 「お菓子」と「音楽」の調和と一体感の提供
このサービスの最も大きな理由は、バッケンモーツアルトが掲げる「お菓子と音楽の調和」という理念を、顧客体験として具現化することにあります。
- 五感へのアプローチ: コンサートは聴覚に訴えかけ、ケーキセットは味覚・嗅覚・視覚に訴えかけます。両方を同時に提供することで、お客様の五感全てを豊かに満たし、「バッケンモーツアルト」というブランド体験をより深く印象づけます。
- 「心の栄養」と「体の栄養」の融合: 音楽を「心の栄養」と捉え、洋菓子を「体の栄養」と捉える同社にとって、この組み合わせは、お客様の心身両方を満足させるという哲学の具体的な実践です。
2. コンサートを「身近な文化」にするための演出
クラシック音楽のコンサートは、格式が高く、敷居が高いと感じる方がいることも事実です。ケーキセットを付けることは、そのイメージを和らげ、より多くの人に楽しんでもらうための工夫と言えます。
- 親しみやすさの演出: 美味しいお菓子と一緒に音楽を楽しむという体験は、堅苦しい雰囲気ではなく、**「気軽に、優雅なひとときを過ごす」という親しみやすい印象を与えます。
- 憩いの空間の提供: コンサートの余韻が残る中、ケーキセットを楽しむ時間は、音楽の感想を語り合ったり、リラックスしたりする社交の場を提供します。これは、同社が過去に音楽喫茶のような形態も運営していた経験からも、重視している点だと推測できます。
3. 洋菓子店としての「核」となる強みの提示
コンサートは音楽家への敬意を表する場ですが、そこで提供されるケーキセットは、「私たちは洋菓子店である」というブランドの核を再認識させる役割も果たします。
- 本業の体験: 音楽を愛する企業であっても、その本業は洋菓子です。コンサートという特別な場で、自慢のケーキや焼き菓子を提供することで、お客様に最高品質の洋菓子の味を再確認してもらう機会となります。
- ブランド力の強化: 一流の演奏家による音楽と、自慢のケーキという「質」の高い組み合わせを提供することで、「バッケンモーツアルト=高品質な洋菓子と上質な文化を提供する企業」というブランドイメージを強固にしています。
音楽を通じた「心の栄養」の提供
バッケンモーツアルトにとって、コンサートシリーズなどの音楽活動は、単なる企業の文化的な取り組みではありません。それは、「お菓子が体の栄養であるように、音楽は心の栄養である」という信念に基づいています。
お客様に最高の洋菓子を提供するだけでなく、音楽を通じて心豊かな時間を提供すること。この両輪が回ることで、私たちのブランドは完成すると考えています。
| 活動の目的 | 洋菓子による貢献 | 音楽活動による貢献 |
| 提供価値 | 五感を満たす「喜び」と「満足感」 | 心を癒す「感動」と「豊かさ」 |
| 目指す品質 | 最高の素材と熟練の技術による「味の調和」 | 一流の演奏家による「音の調和」 |
これからもバッケンモーツアルトは、モーツァルトの音楽に込められた「調和」「美」「普遍性」という哲学を、お菓子づくりと文化活動の両方を通じて、皆様にお届けしてまいります。


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